BLOG

ブログ

2020-09-15

コラム

音楽評3_実はシティポップの工場だったKitty~忽然と消えたシンガー

シティポップですよ。何から書こうか、いろいろ書きたいことはあるんだけど、かなりレアなとこから攻めていくことにします。以前にジャズミュージシャンの菊地成孔さんがラジオで喋ってた、間宮貴子!たった1枚のアルバムを残して忽然と姿を消してしまった間宮貴子さんのそのアルバム『LOVE TRIP』(1982年リリース) です!

その菊地成孔さんのラジオのトークがそのまま文字化されたある方のブログがあったので、こちらでまるっとご紹介しちゃいます。

*****************************

間宮貴子さん、幻の、消えたシンガーと言ってもいいと思いますね。世間では消えた漫画家さんですとか、消えた俳優さんとか、いろんな消えちゃう方がいらっしゃいますけど、シンガーでも、こんなご時世でもですよ、検索しても出てきない、本当に消えちゃうっていう人。とはいえ、70年代の方だからでしょうな。90年代以降のタレントさんの不幸は、消えられないことだって良く言いますよね。どんなことでも、全部残っちゃいますからね。フーっと消えて行きたいという、比較的人間のナチュラルな欲望だと思うんですけど、これが出来ない世の中になっちゃって、息苦しいなってのが最近ですけど。間宮さんはキレイに消えた方で。

何せ、この金澤さんの本当に素晴らしいライナー、最後の部分ですね。『そんな素敵なシンガーがなぜ、アルバム1枚で消えてしまわなければならなかったか?残念ながら今回は、その謎に迫ることは出来なかった。』つまり、調査が出来なかったということです。『それでも、残された作品は30年の時を超えて、今再び輝きを放たんとしている。願わくば、このCD化がどこかで彼女自身の耳に届いてほしいものである。』と金澤先生、結んでらっしゃいます。一種の都市伝説とまで言われた間宮貴子さんですが、アナログ盤が・・・もう何でしょう、解説したくて堪らないんですが、1時間ぐらい話が止まらなくなっちゃう。全部割愛しますけどね。

キティ(レコード)の実力ですよ。キティの実力が全て結集された盤ですね。ジャパニーズ・シティ・ポップっていうと、細野(晴臣)さん・山下(達郎)さんなどを中心とした山ね、ティン・パン・アレイ・ファミリーとか言うんですけど、あっちばっかりに行く若い方多いんですけど、まあ1つの復興というかね、このキティ組とかね、違う組もスゴいのがあったんですよ。作詞作曲アレンジをざっと一目で見ただけでも、もうキラ星の如く。来生えつこ、椎名和夫、難波弘之、沢井原兒というね。ここらへんの人が演奏じゃなくて筆で参加している。井上鑑さんもいるというね、ところですので、キラ星の如く面子が揃っているアルバムですけども。

。ここにある通りこの『LOVE TRIP』はKittyというレーベルから出ていたのでした。そうか!Kitty!忘れていたそのレーベル名。来生たかおがいた、高中正義がいた、安全地帯がいた!RCサクセションも出してた!上田正樹がいた!そんなレーベル。良質のポップスがゴロゴロと量産されていた"工房"だったのに当時はそのちゃらい名前のせいか、いかにもバブルっぽいベンチャー会社っぽい感じがして(ジュワイヨ・クチュール マキとイメージがカブる、なぜかwww) あまり気にもとめてませんでしたが。さすが菊地さん!ちゃんと見てる!

そう、こんな風に当時はやっぱお金もあるし、いい演奏がバンバン生産されバンバン消費されてたわけです。大橋純子とか八神純子とか渡辺真知子とか庄野真代とか中原理恵とかね。松田聖子や岩崎良美の曲のアレンジだって今聴いても相当イケてるわけです。今のものは今のもので好きだけど、高校生がmac bookで曲作れちゃう時代じゃないわけで、本当はジャズやりたいけど食えないから歌謡曲のバックやってるとかそういう手練れが寄ってたかってポップスを作ってた時代なんですね。バブルですね。
だからシティポップっていわれてもふーん。普通に流れてた流行歌でしょ?ってことになるんですけど...どうです?改めて聴いてみてください。この、溜池あたりから六本木へと車で流してるような(*^_^*) オトナな夜の雰囲気

https://www.youtube.com/watch?v=ovcnIPL-CWs&feature=emb_rel_end

CATEGORY

デザインビスプロジェクト
代表:堀井政利

〒285-0867
千葉県 佐倉市八幡台1-9-2
​​​​​​​TEL 080-1927-0765

(c) 2022 千葉のデザイン事務所/パッケージ・チラシ・ロゴなら「デザインビスプロジェクト」へ  All Rights Reserved.