2023-04-12
コラム
アルベルトはジーン・ワイルダー似
フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキの映画の上映会があるから行こうとアルベルトから誘いがあった。会場は港近くの公民館のような建物。アルベルトが教えてくれた路線バスに乗り港に向かうが、アルベルトに言われていたようにバスは、港から2~3個の停留所を前にして終点となった。そこで、アルベルトに言われていたとおり、運転手が降りるのを待って、自分でバスを運転し港まで向かった。ここでバスを乗り捨てたかったのだが、港には警官が警邏しており、なかなかバスを降りることができない。警官が通り過ぎるのを待ってバスを停め降りてみると、そこに駐車されているバスも、自分が乗ってきたバスも、車体のペイントはなぜか、ちばグリーンバスのそれだった。アルベルトがいるのだから、ここはイタリアに違いないのだが、、、
公民館に入ると映画を目当ての市民がたくさん詰めかけている。アルベルトからの着信を待ちながら建物の奥まで進む。予想外の来場者に、公民館はもう一つ部屋を解放し、スクリーンをしつらえようとしている。アキ・カウリスマキの映画は今にも始まろうとしている。僕はアルベルトからの着信を待ち続けている。
結局、夢から覚めるまでアルベルトは現れなかった。